一章.七話
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大会当日、会場となる決闘場では、準備に慌ただしくなっている。もう何年も決闘が行われたことはないため、かなりの人間が、準備にあたっていた。

しかし、その甲斐もあって、準備は予定より早く終わり、今は最終チェックと観客の入場を待つだけとなっている。

ジース達は、用意された控え室で決闘の時を待っていた。ジースは、緊張のため少し震えている。

ユリアが、その手を握り、少しでも緊張を押さえようとする。

「心配しないで、ジース。あなたは負けたりしない」

「ああ、なんたって、俺は世界一の魔術師だからな」

「見習いだけどな」

「いいじゃないですか、師匠。じゃあ、これに勝ったら認めてくださいよ」

「ああ。認めてやる」

その時扉がノックされ入場が告げられた。

三人は無言で決闘場に向かう。

決闘場には様々な位の者が集まっていた。王宮のものから貴族、国民に至るまで。

とにかく、もの凄い数の観客がそこにいる。

やがて決闘の準備が整い、ジースとルミウスが会場に上がると、観客席との間にシールドが張られた。

国王が審判に合図し、決闘は始まった。



始めに動いたのはジースだった。

ジースは手に光球を出現させ、それをルミウスに投げつける。ルミウスはそれを片手ではじいた。

そのまま、炎の槍を作り出しジースに突撃する。それを警戒しつつ、ジースは右手に炎の球を作り出し、それを両手で構えルミウスの槍を相殺する。

ルミウスが間合いをとるが、ジースは追い打ちとして、右手を振り上げ冷気を出す。ルミウスはそれを全身に受けた。

体中が赤くなり凍傷となるが、直ぐに回復する。

「ちっ・・・」

舌打ちし、ジースは前方に巨大で半透明な壁を出現させ、次の攻撃に備え魔術で自らを加速させる。

ルミウスが七つの火球を持ってその壁を破壊する。

その破壊した壁からジースが現れ、それと同時に光の剣を出現させ、ルミウスを一突きにする。

「ぐ・・・」

だが、戦いは終わらない。

何かがおかしい。

そう思ったやさき、。ルミウスが膨大な魔力を収束させているのに気づく。

「まずい!」

とっさにジースはシールドを張る。

ルミウスの魔力はドラゴンの容姿を取り、ジースに襲いかかる。

召還術。ルミウスの使った魔術は、膨大な魔力を媒体にし、肉体を作り上げ意思を持たせるという高等魔術である。

それも、ルミウスの膨大な魔力で作り出したため、ドラゴンの破壊力も半端でない。

ドラゴンはジースにのしかかるような形で体当たりした。とたん、タイルが砕け飛び、粉塵が立ちこめる。

ルミウスは勝利を確信した。

だが、粉塵の中からルミウスのそれを更に上回るドラゴンが現れる。

「何!」

ルミウスは思わず声を上げる。

次の瞬間、ドラゴンは、ルミウスのドラゴンをかき消し、ルミウスに襲い掛かる。

それをシールドで防ぐが、そのまま吹き飛ばされる。

ルミウスはそのまま意識を失い。やがて終了の合図がなった。



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