最終章.四十六話
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 ――かくして歴史は繰り返された。

 逃げまどう人々。

 燃える家屋。

 その日その街は、絶望という名の街になった。

 どんなに逃げようとも追ってくる恐怖。

 例え女容赦なく殺す悪魔達。

 叫びとなった訴えが街にこだまする。

 街に存在した兵は全て焼かれた。

 かつてこの町を幾度と無く守ってきた壁も内側の敵には勝てない。

 度重なる流血と焼けた淡泊質の臭い。

 それが悪魔の糧になる。

 神に願う者。

 その願いは悪魔が喰らう。

 隣人に助けを求める者。

 だが、その隣人は既にいない。

 もはやそこは街ではない。

 墓場だ。

 ……許さない。

 …許さない!

 許さない!!

 何故、二度もこんな事が起きる?

 誰が望むというのだ。

 また一つ家が焼かれた。

 許さない。

 また一人殺された。

 許さない。

 悪魔はその墓場から飛び出し外の世界へと駆けていく。

 無限の意思達はやがて世界を滅ぼすだろう。

 また一つ村が焼かれた。

 許さない。

 また一つ国が滅んだ。

 許さない。

 また一つ大陸が消えた。

 許さない。

 もはや時間の問題だろう。

 全てが食らいつくされるのは。

 やがて、この世から魔力が無くなった。

 そう。

 この星は死んだのだ。

 許さない。

 だが、悪魔は滅びなかった。

 次の星々を探して。

 次の銀河を探して。

 次の宇宙を探して。

 許さない。

 絶対に許さない。

 そんなことは絶対に許さない。

 その叫びは全ての宇宙へと響き渡った……。


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2006/07/29(土)