何だろうこれは。
夢?
いや違う。
誰かの叫びか。
しかし、リアルだった。
もしかしたら俺たちはあの運命をたどるのだろうか。
だとしたら何とかしなくちゃいけない。
でもどうやって!
……させません。
え?
……あのようなことはさせません。
誰?
いや、俺はこの人を知っている。
……私は、ユリアです。
やっぱりあなただったんですね。
これがユリアだという確かな確信が俺にはあった。
……しかし、これはこの後起こる現実です。
それはどういう意味です?
……あなた方では、ジースに敵いません。
つまり負けるということらしい。
しかもそれで世界が滅びると。
では、どうすれば?
……それは……。
それは?
……私の力を使ってあなたを過去に送ります。
過去? まさか、ユリアスを甦らせるなと?
……もっと前。そう、私達のいた時代にあなたを送ります。
そこで俺は一体何をすればいいんですか?
……それはあなたにお任せします。
なっ。それでは困ります。
……道は一つではないのです。要はあの術を使わなければ良いのです。
成る程。
……ですが気をつけてください。
何をですか?
……チャンスは一度だけです。失敗したらそこでお終い。
それはどういう事ですか?
……私はあなたに術をかけます。その術はあの日。ジースが消えたあの日が終わると共にあなたを元の時代に戻します。
はい。
……つまり上手く行くにしろ行かないにしろ。私がまた、あなたに助けを与える事が出来るのはこれきりなのです。
つまり、未来が変わってしまうからですね?
……その通りです。あなたを過去に送る。その時点でこの未来は大きく変わるのです。
下手をしたら俺やみんなは生まれて来ないんじゃ……。
……はい。
それはあんまりです。
……あなたは滅びを選ぶのですか?
いえ……。
……では肯定とみなしあなたを過去に送ります。
解りました……。
そう答えた瞬間視界が黒くなり視界は闇に堕ちていった……。
2006/07/29(土)