一章.四話
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 俺が一番最初に病院へ行ったのは専門学校に通っていたときだ。

 入学してからずっと必死に努力していたが、ある日を境に全くヤル気が無くなった。

 勉強だけじゃない。

 全てに対して。

 勇気を出して病院に通うことにした。

 そして、ある程度通って告げられた病名。

 自己愛性人格障害回避。

 これが俺の病名。

 ネットで調べると何やら難しいことが書いてあった。

 まあでも、ナルシストな引きこもりって事だろうと勝手に納得しておいた。

 ナルシストは自覚がある。

 毎日鏡を見るし、高校の時に俺はモテると吠えていた。

 我ながら恥ずかしい。

 ひきこもりも何となく解る。

 高校1年2年と皆勤だったが、その後は出席に数ぎりぎり。

 後1日休んだら留年ってとこまで休んでいた。

 原因は……。

 まあ、色々あったんだよ。

 取りあえず貰った薬を飲んでみることにする。

 付属の説明書きには、どの薬も眠くななるような事が書いてある。

 はあ。

 薬なんかで人間のヤル気が出るのだろうか。

 疑わしい。

 水を含まずにそのまま薬を口の中に放り込む。

 別に何も起こらないじゃないか。

 飲んで直ぐ効くわけがない。

 薬が効くまでじっとしているのもどうか。

 取りあえず、煙草を吸うことにする。

 それから暫くして……。

 ――いきなり酷い目眩に襲われた。

 おいおい。

 何なんだよ一体。

 立っていることもままならないのでベッドに横になることにする。

 そう言えば、最初はこうなるような事を医者が言っていた様な気がする。

 ぐらぐらと揺れる思考でそんなことを考えながら俺は眠りについた。



 それからが大変だった。

 授業中ふとしたことで笑いがとまらなくなったり、寝てしまうことが多々あった。

 確かにヤル気は少し出た。

 だが、これではヤル気がない方がいいのではないだろうか。

 さぼってこっそりマンガを読むことすらままならない。

 それだけならまだしも、薬が切れた時が酷い。

 深い鬱に悩まされるのだ。

 ちょっと、副作用がおおすぎやしないだろうか。

 これが俺と病気の闘いの始まりだった……。


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2006/08/02(水)