一章.九話
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 ――俺は劣等感をバネにして生きてきた。

 だから、中学では馬鹿だった俺も高校に入ってからは勉強した。

 何故なら高校に入って始めて現実を見せられたから。

 俺の通った高校は定時制。

 午後5時頃始まって9時頃に終了する。

 入学した当時は定員割れで、よほどの事が無ければ誰でも入れた。

 入試に引き算かけ算とかあったのは気のせいかも知れない。

 定時制は4年制。

 通常より1年多く学校に通うことになる。

「定時制の1年は中学4年だ」

 そんな事を誰かが言っていた。

 事実そうだろうと納得すると同時に凹んださ。

 で、4年も行ってられるか!

 そう思い大検に挑んでみたりもした。

 途中息切れをおこしていつの間にやら忘れ去ってしまったが。

 このころからプログラマにあこがれて情報科っていうのを常に選択してみた。

 実際、表計算ソフトの関数でデータの統計を取る様な代物だったけどね。

 朝働いて夜学校。

 2年間はそうして過ごした。

 次の2年間は夜学校深夜働いた。

 朝の方はスーパーで品物を出したり、発注をしてみたり。

 夜の方はコンビニ。

 残念な話だが、廃棄される弁当は喰わせてもらえなかった。

 俺がどんよりしてきたのは夜働き始めてからかな。

 それまでは、悩みなんて殆どなかった。

 無理はするもんじゃない。

 で、成績は、最初の2年は良かったが徐々に落としていく。

 学校を休みがちだったし。

 ああ、そうそう。

 丁度このころ出会い系サイトが流行り始めた頃で俺もはまった。

 電話代2ヶ月で8万とかいったかな。

 出会いにいくらかけとるんだって話だよな。

 更に3万かけて女の子に会いに行くために遠くいってみたりした……。

 いやあ。

 素敵な思い出だよ?

 何せ向こうについたらその娘の親が迎えに来てくれたから。

 気まずいったらありゃしない。

 結局その日その子の家に泊る事になった。。

 そして夜。

 奴は俺の布団に忍び込んで来た。

 で、素晴らしいタイミングで彼女の母が部屋に入ってきた。

 いや、もうお家に帰りたい気分だったさ。

 暫くその娘とその母が廊下で言い争っていた。

 色々疲れていた俺はそのまま眠りに着いておくことにした。

 更に、次の日がまた凄い。

 何故かその子は学校の部活にいった。

 で、何故か俺は彼女の家族とお城を見物に……。

 いやぁ。

 俺何してるんだろうって思ったさ。

 それっきり出会い系サイトには手を出していない。

 本当はその日もっと色々あったんだけどね。

 で、やっぱり俺は高校に入っても馬鹿だったと。

 そう言うお話……。


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2006/08/06(日)