二章.十四話
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 ――岡山に着いたらしい。

 いつの間にか眠ってしまって気づいたら辺りは暗くなっている。

 俺は駅を出ると早速煙草に火を付けた。

 何処も大して変わらねーな。

 俺の目に映る風景は大阪だろうと東京だろうと舗装された道路と転々と立ち並ぶ建物は同じに見える。

 ここから広島まで歩いてみるか……。

 岡山から広島までどのぐらいの距離があるのか。

 そんなつまらないことは考えずに歩き出す。

 無論、途中で挫折することを考えて線路沿いの道を歩き出す。

 もう日が暮れて人通りが少ないがちらほらと自転車に乗って帰宅途中の学生を目にする。

 あいつらには俺はどんな風に写っているだろな。

 下らない……。

 何本目かの煙草を口にくわえる。

 いけどもいけども同じ風景でおもしろみの欠片もない。

 ……どのぐらい歩いただろうか。

 もう、電車は走っていない。

 足がもう悲鳴を上げしびれてきた。

 そうだよな。挫折したから直ぐに電車に乗れるって言っても電車が走っていなければ意味がないよな。

 近くに止まれそうな所はない。

 ふう。

 もう少し歩いてて変化の見られる道なら苦にならないんだけどな。

 それでも俺はそのつまらない道を日が昇るまで歩き続けた。

 結局七駅分歩いた。

 もう充分だ。

 早速動き出した電車を見かけて一番近くの駅で長崎までの切符を買いホームに向かった。

 疲れていたらし電車に乗ると直ぐに寝てしまった。

 長崎に着くとくるりと駅を振り返り携帯のカメラで何となく「長崎駅」と書かれた駅の写真を撮った。

 撮ったのは文字だけだ。特に意味はない。

 さて。

 何も考えずに長崎に来たわけだが、これからどうするか。

 まずはホテルでも探すとしよう。

 煙草に火を付け街中を歩き始めた。

 そして、数分後俺は目的を忘れ一つの建物に吸い込まれていく。

 やっぱやめられないよな。

 長崎のそれも同じように入った途端やかましい音が鳴り響いている。

 俺はフロアを見渡し、両替機を探す。

 万券三枚を千円札に崩し適当な台に座る。

 長崎に来て最初にやるのがスロットとは呆れるな。

 とは思いつつも、千円札をメダルに替えて打ち始めた。

 そのまま俺はそこで閉店まで打ち続けた。

 朝から何も食べずに何を考えているんだろうな。

 換金所で今日の勝ち分を計算しながら夕食を何にするか悩んでいた。

 長崎と言えばやっぱりらーめんか。

 俺は、夜の長崎の街にラーメン屋を探しに歩き始めた……。


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2006/12/1(金)